農業と食:柏の葉カレッジリンクシンポジウム

2011/12/19 21:00 に Jun Inutsuka が投稿   [ 2011/12/20 0:01 に更新しました ]
千葉県柏の葉キャンパスシティにて、「農・食・祭の専門家が一同に会する討論型シンポジウム」が開催されました。

3・11以降の農業高校への期待 ~柏の葉スマートシティからの政策提言~
千葉大学環境健康フィールド科学センター、2011年11月27日

10時から18時までに及ぶシンポジウム記録から、一部(犬塚潤一郎講演)を抜粋して公開します。

環境制約下の社会と農業
講演者:犬塚潤一郎 実践女子大学教授

 1.産業社会の前提が崩れるとき

(問題提起プレゼンテーション)
ピーク・オイルをはじめ、資源・環境危機に直面した現在、産業社会の成立基盤が崩壊しつつあります。人口70億を支える農業も、その工業的基盤(土壌・灌漑、肥料、薬剤、資材、作業機械)を失えば、これまでの高い生産性を維持することはきわめて困難になります。従来の工業化・商業化・グローバル化の枠組みを脱し、新しい社会関係、新しい技術への移行が必要です。

2.人間存在と自由市場の問題 
(前半まとめコメント)
産業社会に変化が必要であるということは、新しい技術やビジネスづくりが必要であるということだけでなく、人間とは何か、社会とはどうあるべきかということを根本から問い­直す必要があるということである。そこには、西欧2500年の思想伝統・文明への見直しとともに、経済成長と社会発展とを同一に捉える見方の再検討、グローバル化に対する­ローカル化の構想などを進めなければならない。

 3.多元的・地域的な産業・社会と教育,文明
(後半まとめコメント)
農業は、工業的パラダイムを越えて新たな姿をとることができるのか。そのことは地域化する社会、そしてそれを支える多元的・地域適地の基盤を築く、教育の問題である。ぶん­っめいの原理を問うことから、具体的な生き方、生活のレベルまで、多層に渡って考え、行動することが必要である。